僕が愛したすべての君へを読んで絶対に再提出させられる感想文

どうも。

IP端末が072を表示しているわたしです。

並行世界の世界的権威・虚質科学研究所がある大分県の皆さんも経験しているように、並行世界へ移動すると移動先の自分と入れ替わりますよね?

こちらの世界にきてわたしは失望しています。

地元新聞社は女子高生にスリーサイズを聞いてMeToo運動をしたり、生徒よりもそんな新聞社を庇い税金で国立大学のIPを偽装し人権侵害をする教育者だったり、「エリートのオレに反対なら戦争に行け!」の国会議員を問題視しない大分県民だったり…。

なんという072な大分の世界でしょうか。

0から随分と遠い並行世界に飛んでしまったことから元の世界に戻るには数日掛かるんだろうなと、この不健全な大分を我慢することにしましたが、いつまで経っても元に戻れません。

どうやら入れ替わった並行世界のわたしは、正しさを追い求めようとする健全な大分県のほうを好んだようです。

あちらのわたしはIPロックを掛け、072の大分から逃げ出しました。

性格は一致しない。

自分の置かれている世界から逃げ出すためだったら、もうひとりのわたしを捨てる卑怯者がわたしだった。そんな自分の本性を知ると、なんだか複雑な気分…。

並行世界における人格形成について、興味を持つことになりました。

そしてわたしは元の世界に帰りたい。

こちらの虚質科学研究所で相談に乗ってもらうとしたのですが、どうやら072の大分は政治思想が一致しないと協力してもらえないようです。

途方に暮れるわたしは明屋書店にふらふらと立ち寄りました。そしてこの本に出会うのです。

僕が愛したすべての君へは瀧川和音ちゃんにも意識してほしい

わたしの世界と同じように、2022年10月7日に上映される映画の原作が、僕が愛したすべての君へ。

このお話は、主人公・高崎暦くんの並行世界をめぐる恋と愛の物語。

わたしはタイムスリップや並行世界のお話が苦手です。

エアコンのリモコンを巡るお話や、わたしのあちらの世界の大切なお友達が秀逸な称号を与えた「めんどくさそうなおじさん」村上春樹さんの「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」くらいしか読了した記憶がありません。

ちなみに異世界のおじさんは好き。

世界軸を意識しなければならないお話が苦手なわたしでも、僕が愛したすべての君へは素直に頭のなかに入ってくる作品です。

同時刊行された「君を愛したひとりの僕へ」とどちらかを先に読むことで得られる読後感も公表されていますので、お好きな方を選ぶと良いでしょう。

高崎暦くんのお話ばかりに注目してしまいがちですが、今作のヒロインで瀧川和音ちゃんに視点を置くことで並行するもうひとつの恋と愛の物語が走っています。

当然そうですよね。恋と愛の物語はひとりでは築けないのですから。

瀧川和音ちゃんも意識してほしい。そうすることで、もうひとつの作品「君を愛したひとりの僕へ」の重みを感じることができます。

2つの作品を読み終えると、和音ちゃんの印象が変わります。

読者の特権として探究できる物語が用意されている。乙野四方字先生のこの手法に嫉妬。

IPロックされたわたしは、わたしが築いてきた世界に帰るのは難しく、つまり暇なのでもうひとつの作品についても触れておきましょう。